ワンコインで気軽に東京の水辺を楽しめる 東京ベイゾーン循環クルーズに乗ってきた!

港の周辺はもちろん、運河や川など、多くの舟が行き来している東京の水辺。水面を走る舟の姿を見ると、何故かそれだけで楽しくなりますが、そこに自分が乗っていたら、もっと楽しい時間が過ごせると思いませんか?

家族や友達と出かけるプランを立て、予約手続きを行い、そして料金を計算…と、ちょっとハードルが高いと思われがちな舟旅ですが、実はバス感覚で気軽に利用できるクルーズもあるんですよ。

01sui1902-0010

そのひとつが、2019年1月にスタートしたばかりの「東京ベイゾーン循環クルーズ」です。

「東京ウォータータクシー」http://water-taxi.tokyo

田町と天王洲、そして晴海(朝潮)を結ぶこの水上コミュニティバスは、コンパクトな舟で都市部の運河をスイスイ進み、30分弱で隣の船着場まで連れて行ってくれる、東京プチ観光にピッタリの移動手段。

しかも料金は1人1区間あたり500円とリーズナブル!

とにかく乗ってみなきゃ…と息子を誘い、ワンコインの舟旅に出かけてきました。

「東京ベイゾーン循環クルーズ」は予約なしで利用できる手軽さも魅力ですが、6~8人乗りの小さい舟なので、確実に乗りたい場合はインターネット予約がオススメです。

02sui1902-1-0001

乗船予約は「東京舟旅」のホームページからどうぞ。 https://www.suitown.jp/

この日は田町からスタートしました。11時40分に天王洲へ向かうクルーズを予約したので、新芝運河にある船着き場へ向かいます。JR田町駅の芝浦口(東口)から新芝橋のたもとにある船着場までは、徒歩3分とアクセスも良好です。

運河の街として発展してきた芝浦エリアでは、大きなものから小さなものまで、舟を連想させるオブジェが目を楽しませてくれます。短い散歩の中で、いくつ見つけられるか数えても楽しいですね。

船着場に着くと早速、可愛らしい黄色の舟を発見!

いそいそと近づいたら、これは「右回り」の舟でした。

「東京ベイゾーン循環クルーズ」には「右回り」と「左回り」の航路があり、2艘の舟がそれぞれ逆回りで田町、天王洲、晴海(朝潮)の船着場を回っているので、田町から天王洲へ行くには1区間だけ乗る方法と2区間乗る方法が選べるというわけです。

料金は区間ごとに500円なので晴海(朝潮)経由で行くと2倍になりますが、観光として楽しむならアリですね。

09sui1902-0014

待つこと数分、私たちが乗る「左回り」の舟が到着しました!

先ほど出会った舟もそうでしたが、クルーの方が常に笑顔で対応してくれるのが嬉しいです。

予約番号を伝え、いよいよ乗船。

舟のサイズが小さいので少し揺れますが、アトラクション的でもあり楽しさ満点です。ベルト型救命胴の装着も大きな船にはない手順ですが、ワンアクションのバックル式で手間はなく、これもドキドキ感が楽しめますし、なにより安心。

いざという時は腰のヒモを引くことで浮力が確保できるそうです。

これまで目にしたことがない運河沿いの街並みは、風光明媚と言わないまでも「こんな場所が都心にあったなんて!」と新鮮な驚き。

しかもそれを水の上から眺めていることに、息子ばかりか私まで興奮気味です。

「あっ!」

息子がさらに高揚した声をあげた瞬間、目の前に現れたのはユリカモメの群れでした。

新橋~豊洲間を走る東京臨海新交通臨海線「ゆりかもめ」の名でも知られ、東京都が自治体の鳥「都鳥」として定めるユリカモメですが、こんなにたくさん、これほど近くで見るのは初めてです。

16sui1902-0025

黄色い舟を見つけると追いかけてくる可愛いユリカモメたち、よく見るとそれぞれ表情が違うのだとクルーの方が教えてくれました。

ユリカモメは冬季に日本へ渡ってくるため、残念ながら夏になると見ることができないそうです。乗船前日は東京都心でも積雪が記録されるなど厳しい気候でしたが、寒さに負けず来てよかった!

この貴重で楽しすぎる触れ合いを楽しみたい方は、マフラーと手袋が欠かせない今の季節がオススメです。

天王洲までの約25分は、本当にあっという間でした。

実はこの後ふたたび舟に乗り、天王洲から晴海(朝潮)へ向かう予定なので、次の舟が来るまでの1時間半、街の散策とランチを楽しむことにします。

天王洲アイルは、ギャラリーやアトリエが多いことでも知られるアートの街。

希少な伝統画材を揃える「PIGMENT(ピグモン)」(公式サイト:https://pigment.tokyo)など有名な施設もありますが、街を散策するだけでも多くのオブジェを目にすることができます。

23sui1902-0029

船着場のすぐ前にある「RIDE」は、透明なドーム型テント「ガーデンイグルー」や「こたつガーデン」など、冬季限定のテラス席を用意しているオーシャンスタイルのレストラン。

ビニールのカーテンで仕切られただけの「こたつガーデン」ですが、こたつとストーブのおかげで中はぽっかぽか。外の景色を楽しめることはもちろん、次の舟が到着するギリギリの時間までゆっくりできるのが嬉しいです。

半纏(はんてん)をお借りして、コタツで楽しむカジュアルなランチ。

このギャップが、たまらなく楽しいのです。

13時40分発「左回り」の舟には、すでに数羽のゆりかもめユリカモメが乗船していたので、一緒にクルージングを楽しむことになりました。

事前に予約(前日の15時まで)していない場合は、交通系ICカードで決済します。

1区間料金は「ワンコイン」ですが、実際にコイン(現金)で支払うことはできないのでご注意ください。

「右回り」の舟とすれ違い、数本の橋をくぐると海が広くなってきました。

小さな舟は視線と水面が近いこともあり、スピードが速く感じられてスリリングです。船室には暖房も用意されていますが、冷たい風を浴びながらでも外で楽しむ価値があります、この景色。

32sui1902-0062

なにより、舟を追いかけてくるユリカモメたちが可愛くて可愛くて。

湾岸エリアは2020年のオリンピック開催に向けて開発が進められ、慌ただしくその姿を変えています。次々に増えていく選手村の建設や、豊洲に機能を移した築地市場が解体されていく風景を同時に眺めることができるのも、舟ならではの楽しみと言えるでしょう。

舟はふたたび運河に入り、朝潮の船着場に到着。

事前に連絡しておけば自転車を乗せることもできるので、サイクリングコースの一部としても利用できそうです。ちなみに…とても小さい舟ですが、トイレを装備しているので寒い季節でもご安心ください。

下船後は、ドコモ・バイクシェアで自転車を借りて晴海・月島を散策しました。

事前にアカウント登録を済ませておけば携帯電話ひとつで気軽に電動アシスト自転車を利用できるこのサービス、料金は30分150円からとリーズナブルで、提携エリア内のサイクルポートであればどこでも返却できるシステムが便利です。

利用する際は、携帯電話のアプリかWEBブラウザからログインして最寄りのサイクルポートを探し、自転車の番号を指定すると開錠パスコードが表示されるので、自転車の操作パネルに4ケタの数字を入力すれば走行可能になります。

自転車を指定する前に電源ボタンをONにして、バッテリー残量を確認しておくといいですよ。

ドコモ・バイクシェア https://docomo-cycle.jp/

先ほど舟に乗って海から見た晴海エリアですが、自転車で走りながら眺めるとずいぶん印象が違うことに気づきます。

陸から眺める海もまた舟の上とは違った印象で、その両方を一日で体験できることが、この旅のいちばんの楽しさだと感じました。

隅田川にかかる勝鬨橋(かちどきばし)は、1940年に完成した日本でも数少ない可動橋で、かつては大型船の航行に合わせ中央から跳ね上がるように開きましたが、物資を運搬する舟の航行が減少したことや自動車の交通量が増えたことなどから、1970年を最後に開閉しなくなったそうです。

そんな歴史を学ぶことができる「かちどき 橋の資料館」がすぐ近くにあると聞き、向かってみましたが…残念ながら休館日でした。

開館は毎週火曜日、木曜日、金曜日、土曜日…と、覚えておきます。

締めくくりは月島の「もんじゃストリート」へ。

これも東京の水辺で育った文化のひとつだからと、旅のプランに組み込んでいました。

もんじゃ焼きは東京下町のローカルフードという印象でしたが、あちこちで行列ができるほどの人気に驚かされました。

丼で提供された材料を鉄板に落とし、土手のように広げた輪の中へ出汁を注ぐ独特の調理法は、シンプルなのに難しく、手際のいい店員さんの作り方を見ながら慣れない手つきで挑戦。

人気メニューは「明太もちチーズもんじゃ」だそうです。

食事のようなオヤツのような…なんとも不思議な食べ物ですが、食べて美味しいし、作るのも楽しい。なにより、風に当たって冷えた身体が温まっていく心地よさが最高でした。

最後は築地場外市場にあるサイクルポートで自転車を返却し、お土産を購入して本日の旅は終了です。

東京の水辺を半日ほど散歩しましたが、舟と自転車を組み合わせることでこれほど濃密に遊べることを学びました。

手間もコストもかからないお手軽な舟旅、次はぜひ「右回り」で楽しみたいと思います。

コメントを残す

%d人のブロガーが「いいね」をつけました。